たまには、仕事のことでも。。。
最判平23年12月1日最高裁判決(貸金業法17条書面の不備「返済期間,返済金額等」)を受けて、訴状を作成しましたので参考にして頂ければ幸いです。
①最近は、雨フル様への訴訟は本店管轄である○京○簡易裁判所に提訴することがほとんどです。
○京○簡裁は、争点がなければ第2回期日で弁論を終結し1ヶ月以内に判決の言い渡しがあります。
同判決について控訴されますが、仮執行免脱宣言のために、担保が供託されますので、それ以後はじっくり手続きができます。
控訴審は、1~2回で結審します。
控訴審判決言い渡し後、10日程度で雨フル様から支払いがあります。
そして訴訟費用確定の申し立てをして、費用を回収して終了です。
②雨フル様の本店が○京○ですので、全国の過払い債権者さんでも○京○簡裁に提訴可能です。
各地方の裁判所で、何度も期日を入れさせられて困っておられる方は一度お試し下さい。
訴 状
平成23年12月 日
○○簡易裁判所 御中
〒
原 告 ○○
〒520-0057(送達場所兼送達受取人)
TEL 077-524-0071FAX 077-524-2963
〒
京市
被 告 アメフル株式会社
代表者代表取締役 福 吉蔵
不当利得返還請求事件
訴訟物の価格 金1円
貼用印紙額 金1,000円
予納郵券 金4,800円
請求の趣旨
第1 請求の趣旨
1 被告は、原告に対し、金1円及びうち金1円に対する訴状送達の日の翌日から支払い済みまで、年5%の割合による金員を支払え。
2 訴訟費用は被告の負担とする。
との判決及び第1項について仮執行の宣言を求める。
請求の原因
第2 請求の原因
1 被告
被告は、消費者を顧客として貸金を業とする株式会社である。
2 継続的金銭消費貸借
原告は、平成9年 月 日、被告から金10,000円の借入をしたのを始めに、被告との間で、平成23年1月3日に至るまで継続的に金銭消費貸借取引を行い、別紙計算書のとおり、金銭の借入れ及び弁済を繰り返してきた。なお、別紙「計算書」は被告から開示された「取引計算書」に基づき作成した。(甲1号証)
3 不当利得
原告及び被告間の金銭消費貸借取引には利息制限法が適用され、その取引経過を同法所定の金利により計算し直すと、別紙「計算書」のとおり平成23年19日現在で金1円の過払いとなっている。その結果、被告は金1円を法律上の原因なくして利得し、原告は同額の損失を被った。
4 悪意の受益者
本件取引において被告は悪意の受益者であるとの推定が働く。
(最判平19年7月13日)金銭を目的とする消費貸借において制限利率を超過する利息の契約は,その超過部分につき無効であって,この理は,貸金業者についても同様であるところ,貸金業者については,貸金業法43条1項が適用される場合に限り,制限超過部分を有効な利息の債務の弁済として受領することができるとされているにとどまる。このような法の趣旨からすれば,貸金業者は,同項の適用がない場合には,制限超過部分は,貸付金の残元本があればこれに充当され,残元本が完済になった後の過払金は不当利得として借主に返還すべきものであることを十分に認識しているものというべきである。そうすると,貸金業者が制限超過部分を利息の債務の弁済として受領したが,その受領につき貸金業法43条1項の適用が認められない場合には,当該貸金業者は,同項の適用があるとの認識を有しており,かつ,そのような認識を有するに至ったことについてやむを得ないといえる特段の事情があるときでない限り,法律上の原因がないことを知りながら過払金を取得した者,すなわち民法704条の「悪意の受益者」であると推定されるものというべきである。
原告は被告に対し「貸金業法43条に規定する貸金業法17条、同18条に定める書面を原告に対して交付されたという明確な証拠又は、やむを得ないといえる等の特段の事情」があった事実についての立証を求める。被告が立証責任を果たさない限り上記最高裁判例による推定は覆らない。よって、本件取引において「被告は悪意の受益者である」との事実認定がされるべきである。
5 過払い利息の起算日は過払い金の発生時からである。
(平成21年9月4日判決)
金銭消費貸借の借主が利息制限法1条1項所定の制限を超えて利息の支払を継続し,その制限超過部分を元本に充当すると過払金が発生した場合において,貸主が悪意の受益者であるときは,貸主は,民法704条前段の規定に基づき,過払金発生の時から同条前段所定の利息を支払わなければならない(大審院昭和2年(オ)第195号同年12月26日判決・法律新聞2806号15頁参照)。このことは,金銭消費貸借が,貸主と借主との間で継続的に金銭の借入れとその弁済が繰り返される旨の基本契約に基づくものであって,当該基本契約が過払金が発生した当時他の借入金債務が存在しなければ過払金をその後に発生する新たな借入金債務に充当する旨の合意を含むものであった場合でも,異なるところはないと解するのが相当である。
上記最高裁判決からも、過払い利息の起算日は過払い元本発生時であることは明らかである。よって、本件取引においても過払い元本の発生時からの過払い利息の請求が認められるべきである。
以下続く